初めてギャンブルをしたのはフィリピン セブ島に旅行に行った時のことです。
大学卒業旅行として遊びに行っていた私達は、今考えるとかなりテンションが高く怖いもの知らずだったと思う。
そこの会場は、服装の指定もあまり厳しくなかった。カジノといえば映画で見るような大人の世界をイメージしていたが、こんなにも簡単に足を踏み入れられたことに驚きを隠せなかった。
初めてのカジノだったから、もちろんゲームのルールも分からないし、最初に換金したお金はもう捨てるような覚悟で遊びに回った。
ブラックジャックを始めとするカードゲームやルーレット、ゲームセンターにあるような子供向けなのではと思ってしまうようなかわいらしいデザインのマシーンまであった。
私はそのマシーンを前の人見よう見真似でやってみた。ルールは簡単。跳ね返ったコインが赤か黒か選択するだけ。
次第にコツを掴み(流れを読み、何故かだんだん次の答えが分かって来るようになる)資金がどんどん増えてきた。
かなりの時間このマシーンで遊んだので、次はルーレットをやってみた。
最初は参加せず、やり方やスコアブックを見ながら様子を伺っていた。
こんな大学卒業したての若者が、海外のおじさま、おばさま達と肩を並べて遊んでいるという事実がとても嬉しかった。
(英語だと、上下関係がないので対等に扱ってくれた。)
そんな事に、とても誇らしさを感じながら、強気な私達はルーレットに参加。
数字当てるゲーム、赤黒どちらがでるかを当てるゲーム。ルールは簡単だ。
どんどん調子がでてきた私達は、掛け金を多めにしたりタイミングを見計らったりし、面白いほどにコインが増えていった。
完全に、カジノという終わりのないギャンブルの世界に引き込まれていた。
そんな勝っている私達の隣の席に、一人に日本人男性が声をかけてきた。30代後半で、プロゴルファーらしい。(毎年冬のシーズンは、海外でトレーニングしているのだとか。)
今、彼はかなり負けている。
色々なフロアをチャックし、ここに流れてきたそうだ。
「初めてカジノやってるんですけど、すごい楽しいですね。」
「それはよかったね、でももしかしたらビギナーズラックじゃない。盛り上がっている流れのいいころで辞めておきなね。」と言ってくれた。
しかしそんな私は最初に換金した時、
「今回は初めてだからこのお金は捨てる気でいよう。」
と考えていた自分がいた謙虚な自分を完全に忘れてしまった。
今、こうやって手元の資金が増えたのを目の当たりにするとそんな謙虚な考えはなく、
「もっともっと、増やしたい。」と大胆になっていく自分がいた。
さっきまで流れは完全に自分のものになっていて、次に出る色も頭の中で見えていたはずなのに、だんだん空振りすることが多くなってきた。
集中力がなくなってきたのだろうか。
しかし、この連続した負けを取り戻すには、掛け金を多くし、一気に逆転するしかない。
そう思い、多めにベットするがどんどんコインは減ってゆくばかり。。。
ついに友達の方が先に、コインが全てなくなってしまった。
それを見て焦った私は、その子の為にも勝たなくではという気持ちで挑んだが、手元のコインは終わりに近づいていた。
その時ふとさっきのおじさんの言葉が蘇った「盛り上がっている流れの良いところで辞めておきなね。」と。
しまった、そういう事だったのかと実感。
ついに私も完全にコインが無くなってしまった。
友達と二人でカジノの会場を出た。
帰り際、何気無しにそのおじさんを目で追ってみたら、手元のコインがすごい量に。かなり勝っているようだ。
つまりはそういう事。
流れに乗っているときは怖いもの知らずでどんどん気が大きくなる。調子がいいと思っていたとしても、その流れはどこかで逆転してくる。
今にして思えば少し負け始めたときに止める勇気を持っていれば失わずに済んだものを・・・
とにかく、勉強になった初めてのカジノ体験でした。
スロッターズ半田
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